爆裂(上、後)/鈴木
 
が大きくなって背筋を、つう、と冷たいものが降りる。茜の手を引いて柵をまたぎ木々を抜けて草原を駆ける。ごみの散らばる一角で貴史を殴っていた勝也が例の笑いで近づいてくる。彼女を渡す。奥へ消える。右方で裸の涼斗が四肢を縛られ転がっている。洋介に含まれている。立ちふさがる権兵が掌を打ち鳴らす。そして誰のものとも知れぬ絶叫が飛び交う中で行き場を失った祥平はへらへら局部をいじりまくる。嫌だ、と思った。そんなことになるくらいなら蹴りでも食らった方がマシだ。バーカ。罵詈が意識へ上る。バーカバーカ、だったら試しに住んでみろよ、砂時計より先に揃えるもの幾らでもあるじゃん、他に家があってたまに逃げ込むだけとしても、だっ
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