爆裂(上、後)/鈴木
 
愛いよね。
 紐のように垂れた目じりをさらに下げた。いくらか靴の埋まる土に汗が落ちて染み消え、また別の場所に円はかたどられる。最初の円と次の円は微妙な相違を意識したが数を重ねるにつれあやふやになり、初めからなにか均一の形が構成され続けていると感じるようになる。勝也が現れ、手招きして木陰に消えた。行ってみると坂があって登ればマンション広場ほどの草原に出くわした。葉の擦れる音がする。丸く広がる空は半分ほど雲に覆われていた。先遣隊の固まっていた域には人工物が散乱しており、菓子やカップ麺に空き缶やペットボトル、砂時計、漫画、ボールペン、マグカップなど雑貨が多い。少し離れた場所の甲高い叫びに歩み寄ればウル
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