爆裂(上、前)/鈴木
ろめいたしぶきが吹き上がって祥平の頬にもかかった。父は次々に引き裂かれて人の形を失っていく。息子は
――やめて。やめて。
と言った。やめなかった。激怒した。羆の両断へ動物磁気を溜める。あらゆる方向から穏やかならぬ言葉を浴びる。見渡す。肉食動物共が爛々と輝く目で攻撃態勢をとっている。構いはしない。
――我こそはハイパーライト戦隊の祥平だ! 覚悟しやがれ!
だが拳を突き出すことは叶わなかった。羆との間に雄獅子が割り込んだのだ。百獣の王は先ほどの無関心な表情とは打って変わった獰猛な目つきで祥平を睨みつけた。吼えた。周囲の野次が沈黙へ変わるほどの怒号だった。「ぬ」の高笑いが響く。
――『
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