爆裂(上、前)/鈴木
――やめて。やめて。
と言っていた。豹が絶命した草食動物をくわえて袖へ下がれば、蚊が床に広がった血を吸い始め、蛭が落ちてきて怒鳴る。
――生きた血を吸いなさい!
――うるさい! うるさい!
――ならば! ならばこうだ!
殺虫剤を散布した。血の海にぽとり落ちた蚊を睥睨しているとネグリジェ姿の羆がやってきて客席へキスを投げた。蛭は
――突貫!
と毛で覆われた後足へ取り付いたものの、蹴たぐられているうちにちぎれた。甘ったるい
――きもおい、ありえなあい。
言い回しと共に羆より放られ下座へ消える残骸に観客は悲鳴を上げた。
――大事なタンパク質が!
次に登場したの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)