爆裂(上、前)/鈴木
な様まさに天上界、の、催しを厳然たる事実すなわち現実、おっと漢字が違ったかな、として皆様のお目にかけようという次第でござる!
青年の祥平は当時の語彙を超出する回想をいぶかしんだ、が、鼓膜の内で奏でられる弦楽に引き寄せられていった。チェロ、ウクレレ、バイオリン、マンドリンの、和音も旋律もあったものでないノイズに、聴衆は演奏がかき消されるほどの喝采を浴びせた。上座から蚊、鼠、兎、鹿が現れる。後ろ足で立ち上がった鹿の頭に兎が逆立ちし、そのピンと伸びた後ろ足の間へ鼠が肢体を突っ張らせた。あとは蚊の接着を待つばかりだった。さらに登場した四頭の豹が曲芸者たちへ飛び掛った。首を破られた鹿は果てるまで
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