爆裂(上、前)/鈴木
 
た瞳が迫ってくる。
 ――本。
 ――これ?
 手に取り表紙を眺め
 ――なんて読むの?
 首を傾げる。茶色がかった髪が揺れる。
 ――「時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語」。
 ――モモ!
 祥平はうなずく。
 ――モモこの子?
 うなずく。表紙にはカメのカシオペイアも描かれていて、歩く少女を見つめる微笑は優しさに満ちているようだが見ようによってはサディスティックな趣がある。茜は祥平を仰向けにして下半身から衣類を剥ぐ。抵抗はしなかった。それが一緒にいる条件だった。茜は彼のそれに触れた。中指で付け根から袋へと螺旋になぞっては時おり力を込
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