映画日記、ただし日付はてきとう2/渡邉建志
ワ以来。ただ、奥底まで突き抜けてくる感動かというとそうではなくて、ただひたすらかっこいい、これは真似できない勢いだ、ああ、負けた、と思い続けるしかない。こちらも一緒に動かされた「エル・スール」とか、こちらも一緒にこの世の果てで泣き咽ばざるを得ない「マザー、サン」とかとは、比較対象にならない。どちらをとるかといわれればもちろん後者を取るんだけど。だけどこの様式美、思い切りは凄い。ベルイマンがこんなことをしてくるとは。突然変異的。パラジャーノフならあまりにも異質の様式でまだ笑う余裕がこちらにあったけれど、これはちょっとこっちに身の覚えがある分切り裂かれるかんじ、暴力的に私に侵入してくるという感じである
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)