映画日記、ただし日付はてきとう2/渡邉建志
 
にあたしの心に突き刺さるシーンと音があれば、それで愛することができる。この映画はそういう完璧なシーンがちりばめられていた。女の子の視線と男の子の視線の交差、ソ連だからセックスシーンは撮れない、だからこそ逆に徹底的に考えられた、視線だけでのエロティシズム。90度に交差した椅子を後ろからとって、私からは彼らの視線の交差は見えない。ただ、椅子の真ん中に白い犬が座っているのだ!そして彼らはおなじ犬を撫でているのだ、その二つの手が白い犬の背中を撫でるクローズアップ!これはだてなエロシーンには勝てないエロさだった。なにしろ、二つの手は、決してふれあわずに、ただ、犬を愛しているのである。にもかかわらず、なにかの
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