映画日記、ただし日付はてきとう2/渡邉建志
ノスタルジア」等等。これらの作品は私の「映画」という概念そのものをひっくり返した。映画はまず音である、ということを認識させられた。たとえば「日陽」の、ノイズみたいなすさまじい音楽。タルコフスキーの沈黙。そして音の感性のいい監督はなぜか必ず映像も美しい。すべての映像と音の意味がわかりすぎて、どうしてこんなことを思いつくのかがわけが分からない。冒頭、浮遊するように移り変わっていくショット、カメラの突然の動き、フォーカスのとつぜんの動き、木の向こうで話している女の子をぼーっととっていたり繊細さ、そしてそれらをつなげているのが実は音楽。ピアノ曲がなり続けている。G音を執拗に打ち続けている。そしてそのGの下
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