斜路/木屋 亞万
 
馬鹿だから化かされているのだと思う

恐竜の骨の目がちらりとこちらを見た
おばあさんによろしく言っといてちょ
と言われた気がした
狐も何だか半笑いで誘導していた
線の細い美しい横顔だった
案外にいい人たちだと思った矢先
僕は地獄を見た
火の海、血の雨、針のような歯の並ぶ口
悲鳴をあげて逃げ回る馬鹿

ふっと狐さんが隣に来て
おばあさんが悲しむからさ
君はこれからあの馬鹿が何かしそうになったら止めるんだよ
と僕に言った
あと、これはできればなんだけど
おばあさんが君に花をあげたときは
うれしそうに受け取ってあげて欲しい
家でコップにでも入れて机に飾っておけばいい
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