哀愁の部屋/榊 慧
て
(早く私を殺して、)
と ありきたりなことを
飛躍してまとつきから逃げれれば
などと考えやめました
幼稚なことしかうかびません
こうして私は死んでいくのだと
呆れながらもこれが人というものだと
他人の音がないときを
欲しているのは人間の
おのずからなるものでしょう
僕はそうして僕のことをなぐさめて
まともな人には、なれませんから
嫌になってしまうのは
おのずからなるものでしょう
鈍色(にびいろ)と言っていいほどに
この生活と
この時間の色を 知って
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