光速の美夏/石田 圭太
 
に在ったもの達だ

道路に落ちていきそうなもの達は
両手でいっぱいに抱えろよ
心臓をほしぼしでいっぱいにして
愛しながら覚えた道を
ちぎれるように
いけよ

お前は音楽で
目は眠気がかっている
指先が温かくなるような歌を
閉じて
始まりの声に耳を澄ませば
眠れる

閉じていたこころが開きだして
守られることのない約束は
出来る

音楽が死んだらきっと悲しい
そう言って

もう、切る指は無くしてしまった





音が枯れる日がやってくる
喉が枯れる日がやってくる
耳も(目も
口も、すべてが
(やわらかく閉じて
絵が枯れる日がやっ
[次のページ]
戻る   Point(23)