光速の美夏/
石田 圭太
やってくる
世界はもう
ずっと不思議なままで
お前は今
その世界よりも深く眠っている
夢の中で生かされている
風の期待だけが
昨日使ったさよならを、
初めてのように(やまびこのように
見送りながら
(とりのこされて
(どこにも、
聞いたこともない山々や
見たこともない街並みを
ゆく
(どこまでも、
突き抜けて、心臓を
ゆく
光の香りだけがする
※2010年加筆
戻る
編
削
Point
(23)