意識が飛ぶということはつまりそれだけの/木屋 亞万
ゴリラ顔があまりに幸せそうに苦しんでいるので
誘惑に負けて
自分のこめかみでもピストルを発砲
頭がぼんやりふわりと霞んでいき真っ白に
ひやひやひやと背中から湧き上がる快感が超気持ちいい
何にも言えない開放感に息が荒くなる
はぁはぁ ひゅう ひゅう ふふう ふ ぅ
んー ぁ あ ぁ
不意に唇に生臭さが蘇る
意識が戻る、アイカワナオがこちらを見ている
(アイカワナオの2つの瞳が、自分のすぐ目の前にあった)
部屋には煮汁やピンク米が散乱している
鯛が砂漠で産卵したような有様である
アイカワナオは坊主頭になっていた
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