たぶん、それを愛とは呼ばないだろうけど/涙(ルイ)
と支配の中で育ったあたしは
他人のやさしさの中に
いつでも偽りを見つけ出してしまっていた
どうせ誰も彼もあんたもみんな
あたしから去ってしまうんだろって
だから必要以上に近づかないようにしてた
ひとりでいいって
ひとりでいたほうが楽だって
そんなふうに自分を納得させて
生きていた
自分のことなのに
なんだかいつも他人事みたいで
どうにでもなれって投げやりな気持ち
こんな気持ちで
あと何十年も生きていかなきゃならないのか
もううんざりだ
死んでしまおうかな
でもそれさえもめんどくさいな
ほんとにどうでもいい気持ちだった
いたずらに自分の心をもてあましてばか
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