言葉と責任−「存在の彼方へ」を読んでみる4/もぐもぐ
ではなかろうか。レヴィナスは一見異様な術語の中で、そうした私たちの日常的な実感を、極限まで煮詰めた命題にして思考していくのである。
とはいえ、ここで言われている「責任」が、所謂社会的責任、例えば法的責任であるとか、政治的責任であるとか、そうした「責任」とは異なったものであること、これは認めざるを得ないだろう。社会一般においては、言葉とかそうしたものよりも、むしろ実際の「結果」に対して、現実にどのように「対応」するか、自身の「行い」を以って示すことの方がはるかに重要視される。違法行為をすれば損害賠償として金銭等の支払いを行わねばならず、或いは刑事責任を負って、懲役や禁固刑に服さねばならず、
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