俺の満員電車/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
死に俺は、いかにも気分の悪そうな顔をして答える。
早く去って欲しかった。
だが満員なので女性客も俺も動く事はできない。
やり過ごさなければ。
答えたあとはひたすら黙し、時が過ぎるのを待つ事にした。
「まもなくー○×駅ー○×駅」
助かった。
もうすぐ出られる。
さいわい気づかれてもいないようだった。
たとえ一人二人が気づいていたとしても、とにかくこの電車から降りればあとはどうにかなるだろう。
ほどなく電車は止まり、降車口が開いた。
だが、今度は反対側の降車口が開き、俺を苦しめようとする。
「お、降りまーす!」
俺は、さっきよりも強引に人をおしのけ降りよ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)