俺の満員電車/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
けでも押さえ込まなくてはならない。
匂いが車内に漂い、騒ぎになるのではないかと思うと気が気ではなかった。
時間が長く感じる。
周りの多くの乗客が、俺を見ていた。
気分が悪くてしゃがんでいると思われているのだろう。
しゃがみこむ行為は、あんがい目立つものだ。
しかも満員だ。不自然に違いない。
「あのー、大丈夫ですか?」
一人の、女性客が声を掛けてきた。
こんな時だけ、何故か知らないが女は俺に声を掛けてくる。
やめてくれ!
俺はこの時、本当に独りになりたかった。
まったくいたたまれない気分だった。
「あー……少し休めば……大丈夫ですので……」
必死に
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