ルネッサンス/aidanico
 
た差し入れは邪魔な塵になって廃棄される。そこから僕は居なくなって無くなって朝陽を見るんだ、もう明け鳥が鳴くよ、早く。



やもめ、やもめ、
一人その背中向け何を乞う。

かもめ、かもめ、
流線の首捻り何を見る。

サロメ、サロメ、
情熱傾けて何欲す。

やがて、あまたは、
総て夢の向こう側へ消ゆ。




大きな口を開け夢食らふ
鯰よりも鱗の堅き鰐がゆく
のそりと泥土を嗅ぎ分けて
寂しさの残る目であたま擡げる。

若き娘の肉を食み、
荒海の鋒を喰らひ、
だらりと舌を垂れ、
眼球は天を剥く。

みどりが灰色に変わり、
短き手足の止ま
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