迷信/吉田ぐんじょう
り回ってから
夕飯どきに帰宅すると
いつ帰ったものやら
妹も自分の席におさまって
ちんまりと納豆などかき回していたが
なんだか一回り大きくなったようで
声も太く低くなったようで
それはもう妹ではなかった
今でもなんだかそんな気がする
妹の家に遊びに行くと
生肉のパックばかりがゴミ箱に
血のついたまま山と積まれている
【十一月十一日に鏡に映りながら、「入りたい、入りたい」と念じると鏡の中の世界に入ってしまう
ちなみに翌年の十一月十一日に「出たい、出たい」と中から念じると元の世界に戻れる】
夜中に鏡を見ると
知らない人が映る時があった
鏡の
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