迷信/吉田ぐんじょう
うけれど
母に言ったら叱られてしまったので
変な気持のまま サンロイヤルに
ケチャップをぶちかけて食らった
【しゃっくりを百回すると死ぬ】
妹のしゃっくりが止まらなくなった時
兄とわたしはそれを指さして笑っていた
いつまでも止まらないのでますます大きく笑ったが
ふと笑いが途切れたときに
しいんと二人で怖くなった
妹はうつぶせに倒れて
いつまでも ひっく ひっく と体を震わせている
だんだんふさふさと毛が生えて
鋭い爪がぎらりと尖り
知らない動物になっていくようだ
体の中央がきいんと冷えて
妹を残して思わず逃げた
気の済むまで走り回
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