迷信/吉田ぐんじょう
 
うけれど
母に言ったら叱られてしまったので
変な気持のまま サンロイヤルに
ケチャップをぶちかけて食らった


【しゃっくりを百回すると死ぬ】

妹のしゃっくりが止まらなくなった時
兄とわたしはそれを指さして笑っていた
いつまでも止まらないのでますます大きく笑ったが
ふと笑いが途切れたときに
しいんと二人で怖くなった

妹はうつぶせに倒れて
いつまでも ひっく ひっく と体を震わせている
だんだんふさふさと毛が生えて
鋭い爪がぎらりと尖り
知らない動物になっていくようだ

体の中央がきいんと冷えて
妹を残して思わず逃げた

気の済むまで走り回
[次のページ]
戻る   Point(13)