「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
 
)。神概念を用いない存在論が可能になったのは、それこそ19世紀末のニーチェの登場以降、本格的には、それをうけたハイデガーのニーチェ論の登場以降のことであった(らしい)。
サルトルの主著は、有名な「存在と無」という著作であり、これはタイトル的には、レヴィナスの一つの関心であるto be, or not to be(シェークスピアの言葉。「時間と他者」等の著作を含め、レヴィナスはシェークスピアのこの言葉を自己の思索の導きの糸としている)とまさに重なり合うテーマである。サルトルも同じくヘーゲルやハイデガーの影響を強く受けており、それに基づいてこの「存在と無」の哲学を構築した。サルトルは純粋なフランス人
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