「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
いうような見方)を意識した表現であろうか。この表現は既出のもので、実はp22にも、「背面世界というまやかしの超越」についての言及がある。そこではこれが「<天の国>も実は地上の国の上空を廻っているに過ぎない」と言い換えられていた。つまり「背面世界」は、いわば死後の「天国」のような、まやかしの(長い歴史の中でもはや形式化してしまった)観念のことである。
「物質的団塊」という言葉の方はかなり意味不明だが、マチエールというルビが振ってあったので、原語materielで、単に「物質的な」とか、或いは「功利的な」というニュアンスであると思われる。したがって、「戦争ならびにこの物質的団塊」は、先の戦争と交易に
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