「存在の彼方へ」を読んでみる2/もぐもぐ
 
ているのではなく、それを語る神学が失敗してしまっているだけだと言う。先のような神擁護のレヴィナスの立場に照らして言うなら、たとえ神学が失敗していてもそれで神の不在が証明されるわけではない、というような感じのことが言いたいのだろう。

超越の破産については、追加的な説明がなされている。
「この神学は超越の過ぎ越しに終着点を押しつけると共に、超越の過ぎ越しを「背面世界」として凝固せしめ、戦争ならびにこの物質的団塊のうちに自らの語ることを組み込んでしまう」(p26)。
「背面世界」という言葉は、ニーチェ(神とか天国といった概念は、現実の世界像がルサンチマンによって転倒されたものに過ぎない、という
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