雨にさらされる光のない世界だけが/ホロウ・シカエルボク
が為の理由を何も取ることが―思い出そうとする、だけどそんなものは初めからなかった、過去なんて確かに信じて生きていくべきなんかではないのだ、虚ろな雨に夜の木がすすり泣く、その超自然的な残響音…俺は釣られて涙を流すのだ、そんなことに、そんなことになど何の意味もないと何度も何度も何度も何度も理解してきたはずなのに、灯りをおくれよ、俺の為じゃないよ、俺の死にざまを見たがっている誰かの為にさ、おれの目の玉が裏返しになった時に手を叩いて喜んでくれる誰かの為にハイスペックな明かりを照らして欲しい…否定しても否定しても尽きることがないぜ
雨に濡れ続ける安っぽい路地の上に俺は立っていた、俺は立っていた、雨に濡れ続
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