彼が君ではない/里欣
 
かけ、足を組んでいた。彼は?わたしは心の中で聞いた。沈黙。わたしは映画を最後まで見た。江がスクリーンの上に現れた。丸坊主にされクローズアップ。兵役に送り出されることになっている。映画の終わりだ。 音楽が流れてこない。キスもない。 

   ?
 青年が、わたしの胸に手を伸ばし、吸血鬼のように。
 海水がゆっくりと細々とした山道に突き進む。別の女性が君を好きになり、そして君もわたしを愛するように彼女に接している夜明け前の一瞬、潮水がわたしに向っている
 
 各自でキャンパスを持っていて、青と白を調合している。空色が出来上がった。今にも過去にも未来にも縛られない。風が葉っぱを鳴らし、白蝶が
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