東京ディズニーランドへようこそ/青木龍一郎
 
んなじ。
確かに僕はうんこみたいな引きこもりかもしれない。
でも、ミッキーだってディズニーランドにずっと引きこもってるぜ。
一歩も出ない。
ありゃ重症だ。
何十年間も夢の国に漬かってきた。


僕にとっての部屋は
ミッキーにとってのディズニーランドだ。

暗い部屋で一人、ミッキーと同じ踊りをしている。
僕はみんなのリーダー、みんなの友達、ミッキーマウスだった。
湿った部屋で、タオルで体を拭くミッキーマウスだった。
まるで病室のような場所で、誰も居ないところに向かって手を振っているミッキーマウスだった。




人々は自らの人生をウォルトの作り出した楽しい楽しい
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