エルドラド/セルフレーム
をしていた。
いつしか、2人とも帰ってこなくなった。
2人が帰ってこなくなってから、母は体調を崩して、亡くなった。
私は、2人を憎んだ。
母を殺し、私を置いて行ったあの人達を。
同時に、エルドラドという黄金郷も憎んだ。
ハタチの夏、私はアンデスに入った。
3週間、飲まず食わずで黄金郷を探し回った。
アンデスに入って3週間目の火曜日。
私は、黄金郷を見つけてしまった。
金山と、瑪瑙や水晶が刺さった谷。
それに囲まれて、在った。
真ん中に立つ石碑に、文字が刻まれていた。
名前だった。
その中に、父と兄の名も在った。
―作ってしまった
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