目線にいちいちイラついたりなんかしても/ホロウ・シカエルボク
 
まりに繰り返す頼りない影


噴水のところで痩せた猫が
食べものをくれる誰かを待ち望んでいた
いつからそうしているのだろう
もう誰も自分には恵んでくれないことを知っているみたいに見えた
そうして何度恵んでもらってきたのだろう
そんな資格はない自分のことを
必要以上に恥じているみたいに前足を舐めていた
風に煽られた噴水の頂点からいくつかの飛沫がかかる
そのたびにそいつは痛みを見たような顔をした


俺はとあるホットドッグ売りの、バンのそばに立って缶コーヒーを飲んでいた
目の前の小さな道路を
いろいろな格好のやつらが通り過ぎていく
スィンギング・ロンドン、ワイルド・ア
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