目線にいちいちイラついたりなんかしても/ホロウ・シカエルボク
 
浴びるささやかな植物たち
街へ向かう、流れの強い側だけ
みんな、枯れていた
しかもあいつらの心情は決して
詩になって弔われたりすることはない
枯れるがまま、ただ枯れるがまま…殺されるために寒い地帯で育てられる実験用の鼠みたいに
きっとそうなるとどこかで知りながら枯れていくのだ


長い歩道橋の中央からいつも繰り返し飛び降りる誰かの置き土産、何もすることがない日には
バスの停留所に腰をかけてずっと見ている
どこのバスにも乗らない待ち人の真実を
どれだけの運転手が見抜いているだろう
バスの停留所に腰をかけてずっと見ている
投げ出して尚且つ終われなかったなにものかの
あまり
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