ホットミルク日和のゆったりとした空気の中で/詩集ただよう
 


みんみんみん
セミはがむしゃらに鳴いていた
風が強くなった

公園をKと少し歩いた
横顔と風に少しなびくクセ毛が、後ろの緑に映えていた
笑顔と好きな色の話
私は確かそのとき、黒と緑が好きだ、と答えた

恋を、恋だと自覚しながら感じた初めての経験
そうだ、15歳
私は、初めての恋を彼女に感じた

公園の中にあるカフェで私は「同じものを」と注文した
それからの二人の時間、私は彼女にまつわるものしか見ていなかった
喜びと似た感情
注文したホットミルクを、ウェイターが彼女と私の前に並べてくれた
彼女はそっと微笑みながら「あったかい」と言い
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