衝撃と恐怖/徐 悠史郎
 
に影をつくり、その輪郭はやがて文字に変容する……そのとき声は君を目指して零の地帯の上を吹きすぎた、友よ。……尋ねることなく、その答をただ見詰めるだけの君の眼、君はどこにもいない。ただ風の中で塵さながらに舞っている君、……君の答を見詰める君の眼は、世界と君との境い目で裏返しになって君を見詰めている。……口で……口で、追うのか、その湿った穴で。………、………だが乾いたその答はもう既に君の皮膚の裏で、言葉になって焼かれているのだ……、……、……衝撃と恐怖、衝撃と恐怖……それはかつては君のためのことば、……暑かった、盛夏の……まっさおに晴れ渡った空の一点に、アクリル硝子の瑕疵のように浮んだ記憶……、

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