衝撃と恐怖/徐 悠史郎
 


……衝撃と恐怖、今また私たち、……私たち、その名のもとに語られるわたしたち……口に白い闇をふくみ、眼に黒ずんだ光をともして。「私たち」よ、声よ……。届かない言葉を手にせよ……そのときはじめて風は知り、千年樹はあまねく見届ける、ただ私たちはそれを知り、私たちはそれを見る……わたしたち、わたしたち……いつからかわれら、二人となって……だがひとつの根が語り始める、ここに人のように降り立つ生と死は、わたしたちの重ねられた手のひらにしるされるのだと。

もうこれ以上、栄えることなく。





戻る   Point(2)