衝撃と恐怖/徐 悠史郎
 
われら、われらであることに慟哭せよ、胸を蹂躙せよ、君が ……
みずからを殺し尽くしたそのときそのままに。

…………家は誘導弾を狙って低空を飛ぶ…………ふたつのビルは旅客機めがけて突き刺さる…………ふたつの都市は二本の細長い爆煙を空に向けて垂らす…………わたしは死を捉える…………眼はわたしを追う、言葉が開き、口を語りはじめる、…………凱歌よ敗北せよ、勝者よ敗者に首を刎ねられよ、いま一度、焦土を爆撃せよ、真の敗北を岩のかけらから奪還せよ…………

われら、衝撃と恐怖を息、絶やせ……

衝撃と恐怖、その名のもとに生き、黒い閃光、白い闇が立ち上がる……、……覚醒された声がひそかな肉の上に影
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