衝撃と恐怖/徐 悠史郎
 
より、その言葉を聞け、うたえ、そして輝く水の高みにて涙せよ
                          ………………「主」よ

人になりかわり、自由と正義の名のもとに、その半旗を焼け、そのともしびを消せ、その闇を白くせよ、その光を黒くせよ、そのゼロを言葉たらしめよ……すべての剣は折るためにあり、すべての銃は棄てるためにあり、すべての憎悪はあなたのためにある。…………主よ、唯一にしていくつかの「主」よ、光と闇の名のもとに、そこにあるゼロの上に泥を盛れ、そして手ずからその泥で人をこねよ。そしていま一度そのものの身を焼け。
…………われら…………ふたり。それさえも試練の、真昼の酷暑。われ
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