衝撃と恐怖/徐 悠史郎
 
なくそこで終わったという場所……ゼロの……地帯……うたがえ、ゼロのように、劫火のように……舌を舐める炎のように。……燃える喉でうたがえ……河原の小石が巨岩となり、その上にやがて苔が萌え育つまで……うたがえ、そうすれば終わる、終わる、……君よ、裏返しの君の眼は、空に振り子をゆめみる……

夏。ふたつの都市。偶然といわなければならない…………あまりにも突然だったから…………衝撃と恐怖……黒い閃光、白い闇……そのとき流麗な爆煙が都市の上に立ち昇った。(記憶、しらない間に成長して人のかたちに夏から夏へ成長し雲よりもしろくかすれるきみの記憶は風になってどこかで……)零、とは、そこにあること、そこにあった
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