モノクローム街道/紫音
 
足は
一歩ずつ前へ
もしくは四つん這いで
一手ずつ後へ

輝かしい明日もなく
虹色の夢もなく
電子回路のノイズに追われ
感情を還元し
データ化し
解析する





時の何かは
汗と共に流れ落ち
水溜りとなって
渇き散る

遠い向こうの
顔知らぬ人の不幸よりも
目前の壁を叩く
薄皮は破れ
とめどなく血が流れ
それでも

それでも


それで?




コインの裏表のように
誰も気にせず
時として間違っているとしても
大切であればこそ
旅路の道連れに
血の澱
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