夏の日/紫音
まったものだから
思い出すこともなく
ほっ
と
一息ついた
つい昨日
屋根の上で目玉焼きが焼けるほど暑い夏
固く動かないコルク栓を抜くようなひどく疲れた日
の
終わりにぼくは
キミの嘘と交じり合っていた
大きな嘘
大きすぎるから
見上げても見えない水星のように
すっ
と
夢から消えていった
じゅー
キミをぐちゃぐちゃにして
引き裂いて
その
どろどろ
に
流れる様を
笑いながら
食べてしまいたい
じゅー
目玉焼きの中に封じ込めた
キミの嘘
ぐちゃぐちゃのどろ
ど
ろ
に
そんなキミが
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