「モナとウルリカ」/ソティロ
 
は海の中に似ていた
底へ向かうほど
ひかりは届かなくなるし
時々ふしぎな音がしていた
怖かったけれど
好奇心のほうが強かったし
こちらが脅かさなければ
殺されることもないだろう
という信頼、それから
殺されても食べられるだけだ
という安心もあった


わたしたちは列になって
ぐんぐんと奥へ進んだ
なるべく安全な方向を選びながら
潜っていくと一層
森の空気は濃くなっていった
向こう脛に羊歯のあたるのが
くすぐったかったけど
それに馴れたころには
森の中を眺めて歩く余裕ができた
稀に倒木が木漏れ日を作っていて
そこ
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