「モナとウルリカ」/ソティロ
そこへ腰掛けて休憩した
――きれいな鳴き声が聞こえる
歩いている最中鳥を探して
葉の陰を見上げているうちに
わたしはひとりになっていた
振り返っても誰もいない
叫んでも返事はなかった
ひとりぼっちになると
深緑が迫ってくるようで
とても心細かったけど
先に進むことにした
戻るなんて考えられない
もうどっちからきて
どっちへ進んでいるかも
わからなかったけど
森の先を見てみたかった
森を抜けたところで
会えるかもしれないとも思った
きっとひとりになっても
同じように考えると思ったから
ここで捜すのをやめるのは
裏切りだろうか
うん、きっとそう
でも、裏切りだったとしても
そうやって
なんども、
なんども
わたしたちは繰り返す
たのしいことのために
きれいなもののために
歩き出したとき
足もとに
貝殻が落ちているのを
ふしぎに思った
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