「モナとウルリカ」/ソティロ
されるくらい熟した
甘い甘い果物をみつけた
一かじりで汁がこぼれて
くちのまわりがべたべたになった
おなかがいっぱいになって
食べ残した分はその辺に捨てた
そうすれば虫も食べるし
新しい芽が出ることくらいは
知っていたから
乾いた服を着て
わたしたちはまた歩き出した
旗のままにしておくのもいいけれど
やっぱり服は服だった
その頃にはもう
帰り道を忘れていたけれど
そんなのどうでもいいし
どうしようもないことでもあった
太陽と逆の方向にあった
森の中へ入っていくことにした
森の中へ這入っていくと
そこは海
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