「モナとウルリカ」/ソティロ
 



雷がやってきて
雲のなかを転がっている
びっくりして
誰かにひどく怒られてるみたい
そんな気持ちになって
しゃがんで
おへそを隠したけれど
その時だって
こっそり笑っていた


わたしたちは
確かめ合うこともせずに
ただただ笑って
はしゃぎまわって
疲れて
静かに座っていた
そうしてときどき
気ままに手をつないだ


雨がやんだら
あたりは潤っていた
緑に残った水滴たちが
ひかりを跳ね返して
きらきら光合成
虹は見つからなかったけど
そんなの想像してしまえば
それで済むことだった
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