童話「なないろのつる」/チアーヌ
見ればわかるでしょ?そんなことよりも、ゆうなさん、どうかお願いします。僕に色をぬってください!」
「でも、あの…。わたし、そろそろ会社に帰らないといけないんです」
「それは、大丈夫です」
なぜか鶴は、自信たっぷりにうなずきました。
「こういう話になったからには、ぼくが何とかしましょう。まかせておいてください」
ゆうなさんは、しかたなくうなずきました。
ゆうなさんは鶴に連れられて、鶴の家に行きました。鶴の家は、ふつうのアパートの、ふつうの部屋でした。
「一人ぐらしなのですか?」
ゆうなさんがたずねると、
「そうですよ」
と、あっさりと鶴が答えました。
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