童話「なないろのつる」/チアーヌ
 
でいいました。
 「実は、僕はいま、恋をしているのです!」
 「恋?」
 今度はゆうなさんが、目をぱちくりしました。
 「そうです。相手はくじゃくの娘なんですが、このあいだ僕の気持ちを打ち明けたら、そんな真っ白な羽しかない男はいやだと言うんです」
 ゆうなさんはなんといって良いかわからなくなり、黙ってしまいました。
 そりゃ、くじゃくの娘にしてみたら、鶴は物足りないのかもしれません。
 「そこで、です。その化粧品を使って、ぼくに色をぬってくれませんか?」
 「え、でも」
 「ところで、あなたのお名前は?」
 「ゆうなといいます。あ、鶴さんのお名前は?」
 「ぼくは鶴です。見れ
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