童話「なないろのつる」/チアーヌ
でいいました。
「実は、僕はいま、恋をしているのです!」
「恋?」
今度はゆうなさんが、目をぱちくりしました。
「そうです。相手はくじゃくの娘なんですが、このあいだ僕の気持ちを打ち明けたら、そんな真っ白な羽しかない男はいやだと言うんです」
ゆうなさんはなんといって良いかわからなくなり、黙ってしまいました。
そりゃ、くじゃくの娘にしてみたら、鶴は物足りないのかもしれません。
「そこで、です。その化粧品を使って、ぼくに色をぬってくれませんか?」
「え、でも」
「ところで、あなたのお名前は?」
「ゆうなといいます。あ、鶴さんのお名前は?」
「ぼくは鶴です。見れ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)