童話「なないろのつる」/チアーヌ
 
 鶴は目をぱちくりさせて、中をのぞき込みました。
 「きれいですね。これは一体、何をするものなのですか?」
 「これは、お化粧品です。これを顔につけると、色がついて、きれいになれるんですよ」
 「なに、色がつく?」
 「ええ、つきます」
 ゆうなさんがそう言うと、鶴がばさばさと羽ばたいてダンスをはじめました。どうやら、とても喜んでいるようなのです。
 「やった!やった!」
 ゆうなさんがぼうぜんとしているそばで、鶴は踊りつづけています。
 「ちょっとまって、鶴さん、どうしてそんなに喜んでいるんですか?」
 ゆうなさんがたずねると、鶴はやっとダンスをやめました。そして、大きな声でい
[次のページ]
戻る   Point(2)