童話「なないろのつる」/チアーヌ
鶴は目をぱちくりさせて、中をのぞき込みました。
「きれいですね。これは一体、何をするものなのですか?」
「これは、お化粧品です。これを顔につけると、色がついて、きれいになれるんですよ」
「なに、色がつく?」
「ええ、つきます」
ゆうなさんがそう言うと、鶴がばさばさと羽ばたいてダンスをはじめました。どうやら、とても喜んでいるようなのです。
「やった!やった!」
ゆうなさんがぼうぜんとしているそばで、鶴は踊りつづけています。
「ちょっとまって、鶴さん、どうしてそんなに喜んでいるんですか?」
ゆうなさんがたずねると、鶴はやっとダンスをやめました。そして、大きな声でい
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