童話「なないろのつる」/チアーヌ
ゆうなさんも言いました。
鶴と話をするなんて、変だとは思いましたが、他に答えようがなかったのです。
すると、鶴は、
「それじゃ」
と言って、行ってしまおうとしました。
ゆうなさんはあせって話しかけました。
「あの、ここは、どこなんでしょう」
すると、鶴は長い首をひねって、困ったように笑いました。
まるで、そのことを、あまり話したくないみたいでした。
「ところで、これは、なんですか?」
鶴は大きな羽で、ゆうなさんのカバンをふわりと撫でました。
「あ、これは」
ゆうなさんは気を取りなおし、大きなカバンを開けると、鶴に中身を見せてあげました。
鶴
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