銀河鉄道に/セルフレーム
 
を走る銀河鉄道が、天の川の聖域がよく見えるこの土地を呑み込んだのよ。
此処に住む、私達を、南十字(サウザンクロス)に連れて行くために」

その時は、よく意味が分からなかった。

引っ越してきてまもなく、あの老婆が死んだ。
葬儀が終わって、夜空を見上げた。

―銀河鉄道。

浜辺の月が見えるところから、銀河鉄道が走ってきた。
黒光りする鉄道の窓に、老婆の姿が見えた。

老婆は、微笑んで、目を瞑った。

こんな遠くからでも、見える。

老婆の言っていた事が、解った気がした。


後日、銀河鉄道が走ってきた場所に行ってみた。
そこには廃駅があって、線路の近くに線
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