銀河鉄道に/セルフレーム
を走る銀河鉄道が、天の川の聖域がよく見えるこの土地を呑み込んだのよ。
此処に住む、私達を、南十字(サウザンクロス)に連れて行くために」
その時は、よく意味が分からなかった。
引っ越してきてまもなく、あの老婆が死んだ。
葬儀が終わって、夜空を見上げた。
―銀河鉄道。
浜辺の月が見えるところから、銀河鉄道が走ってきた。
黒光りする鉄道の窓に、老婆の姿が見えた。
老婆は、微笑んで、目を瞑った。
こんな遠くからでも、見える。
老婆の言っていた事が、解った気がした。
後日、銀河鉄道が走ってきた場所に行ってみた。
そこには廃駅があって、線路の近くに線
[次のページ]
戻る 編 削 Point(6)