るりら、るりたち/小池房枝
 
人間は青い空がいつでもそこにあるような気でいるけれどもそれは違う
    空はいつも降ってきている
         降り続けているのになくなってしまわないのは
     絶えず生まれ続けているからだ

          小川に手を差し入れるとたちまち現れる渦のように
                          降り注ぐ太陽風と
                  長く尾をたなびかせる地球の磁場と
                      循環し続ける大気と
                どの惑星にも平等に与えられたスペクトルと
どんな賢者の石のひとかけらが
 
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