birthday/風見鶏
を閉じ込めて
夜に輝くあの星をあの娘の骸に捧げよう
雨
あの日ぼくらは堤防で枯れてく月を眺めていた
泉の先には透き通る風がいつでも吹いていて
雨に汚れて乾いた髪を血溜まりの中で潤した
砂漠のピエロの歌声は空の小鳥のそれに似て
降りしきる雨は日溜まりに小さな花を咲かせて消えた
猫
アルスターのテールライト窓の向こうに霞んでいく
陽だまりに眠る黒猫は甘い匂いに誘われて
ロックスターのしゃがれた声をいつも飽きずに聞いていた
今でもそれに変わりはなくて
色褪せてしまった写真の中でそれを何度も繰り返す
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