青春時代/1486 106
があるから
いつも思い浮べていた未来
白紙のページに並べた落書き
現実という壁にぶつかっても
自分から書き換えたりしない
嫌いだった体育の担任が
卒業式の壇上で流した涙
ウザったい説教に込められた意味が
一つ一つ頭の中を駆け巡る
初めて校歌で感動した日
屋上から見下ろした薄紅の町並み
助走を付けて走りだしたなら
フェンスを越えて飛べる気がした
親を殴った拳の痛み
迷惑かけた先生の悩み
すべての汚れを背負ったなら
また一つ僕は大きくなれる
いつかは終わるのが青春時代
それならここで泣いたりしない
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